久しぶりに、プロの生演奏を聞いてきました。
今までにも、オーケストラの演奏は聴いたことがあったのですが、残念ながらすばらしい演奏を聴いた事がなかったため今回は非常に期待して聴きに行きました。
会場は仙台市のイズミティ21。ここは、過去に何度も演奏したり聴きに来たところなので非常になじみがあります。
ここで一体どんな演奏が聴けるのか・・・始まる前から興奮状態でした。
ホールに入ってみると、以外に奏者の椅子が少ない。まあ、最初の曲だけかもしれないし、この人数ですごい音が出てくるのかもしれないし・・・
席に座ってると、ステージ袖からウォームアップの音が・・・みんなすばらしくいい音(あたりまえ)その音を聴いて更に興奮。
開演となり、楽員がステージに。やっぱり少ない。「この人数で一体どんな音が?」
最初の曲は「歌劇「近衛騎兵隊」 序曲」残念ながらこの曲知りません。
音が出た瞬間「!!」非常に素晴らしく美しい!こんなにきれいなバイオリンの音は始めて聴きました。
もちろん、バイオリンだけではなく全体が素晴らしい響きで人数からは想像できなかった音が出ています。
ロジャー・ノリントンの指揮も非常に明快で力強くオケがそれに応えるように重厚な響きです。
いろいろ悩んだけど、聴きにきてよかった。そう思いました。ちなみにチケットは1万円のA席でした。
2曲目は、ベートーヴェンの「ピアノ協奏曲 第4番 ト長調 作品58」ソリストは小菅 優さん。
ピアノをセッティングするために一旦楽員が掃けてゴソゴソと移動し始まったのですが、
「え?!!」
ピアノがステージど真ん中に配置されました。しかもふたが全開で後ろ向き。始めて見たので、「いづい」
続けて楽員が入ってきたのですが、なんとバイオリンは後ろ向き「!!」
さらに、指揮者はステージ中央でピアノに片手を掛けて指揮!
演奏は素晴らしかったと思います。少なくとも私は(ピアノの演奏は良く分からない)
2曲目が終わり休憩となったのですが、とにかく興奮冷めやらず、といった感じです。
さらに、次の曲は「交響曲第1番:ブラームス」ですから、ますます期待が高まります。
と、思っていたら やたら椅子を追加しています。譜面台も大量に追加しています。
ステージ上はギュウギュウ詰めになって行きました。これは楽しみです。
以前に某国営放送で「ブラ1聴き比べ」みたいなものをやってたのですが、冒頭部分だけでもいろんな解釈があってどれもすばらしいえんそうでした。今回それを生で、ドイツの有名オケの演奏で聞くことができる・・・夢の様です。
ネットで検索したとき、ノリントンさんはここを早めで固く演奏するスタイルだと見たことがあったので、大体の想像はしてましたが・・・
期待を裏切らずに、かなりの速さで演奏してました。ティンパニもこれでもか、と言わんばかりに叩くし、思わず「ニヤリ」としてしまいました。
とにかく、非常に透明感があって重厚な音色といかにもドイツ風の表現方法は聞いてる人々を圧倒しているようです。
2楽章はうってかわって非常にゆったりと旋律を聴かせる演奏。ここでのコンマスのソロは圧巻!非常に高い音なのに非常に綺麗な音だったのが驚き!(あたりまえか・・・)1楽章の半分程の時間だった為か、あっという間に終わった感じ。
3楽章は木管楽器の美しい音色と増やしたとは言え、あんな人数でこんなに響くとはまたまた驚きでした。一番右端の楽器は始めて音を聴きましたが、凄い!体に響くような低音が1本だけなのにホールに響き渡るのは圧巻。(あの楽器はコントラファゴットと言うそうです。)
いよいよ4楽章。非常に高い緊張感を持って始まる冒頭から重々しく進んでいきます。緊張感で息が出来ないほどでしたが、一転してホルンの旋律-クララ・シューマン(:シューマンの奥さんだそうです)への愛を表しているそうです。から、この曲の主題とも言うべき部分へと続いていきます・・・
非常に透明度が高く、抑えられた旋律は、教会の中なのかそれともアルプスの頂上なのか、とにかく、表現が難しくなるほど感動的でした。
ここから一気にフィナーレへと盛り上がっていくのですが、期待を裏切らない演奏は「さすが!」と言えるものでした。
あっという間に終わってしまったため、もう一度聴きたかったのですが、そうもいかないのでまたいつか聴きたいです。
あの透明感はノリントンお得意の「ノン・ヴィブラート奏法」のおかげだったそうなんですが、非常に良かったです。